2017.11.22
文化って。
おはようございます。
和菓子店の当代との話です。
いま世界的に、「伝統」と呼ばれるものが危機に瀕しています。
それはなぜか。会話の中でちょっと思いを巡らせてみた。
例えば京菓子の場合、御菓子司や調進所には
長い歴史の中で宮中や権力者が、お菓子をお願いしていました。
それらの人々のもとへは、全国からさまざまな食材が届き、
ゆえに彼の人たちは「おいしい」を知っていた。
そんな人たちからお願いされたからには
菓子職人は「圧倒的においしい」菓子を創らなければならない。
そうして伝統は、磨かれてきた一面があります。
ところが。
現代では、頼む人は、大幅に減ってしまった。
菓子を店頭に並べるなんてことはしてこなかった菓子店も、
菓子を並べ、宣伝し、菓子を食べてもらわなければならない。
新たな美、味にチャレンジさせてくれる人が減った今、
自分たちで考え、進むしかない。その先はすぼんでいくと頭では分かっていても。
しかし、例えばお干菓子。
最近は外国人か子供とお年寄りが、主な客。
とはいいつつも、外国人はお干菓子をCANDYだと思い、CANDYとして食べている。
本来お干菓子はおうすと合わせ、濃茶を生菓子と合わせる、という食し方だったのに。
教えていない、我々が悪いのだと思う。
正しいかどうかは別問題として、伝わってきたもの、ことは、
せめてちゃんと出さなければならない。
それが伝える、ということだと思う。
もちろん文化だけじゃない、風習も、地域の食も、住も、言葉も、考え方も。
決して守るわけではありません。
前へ進むためなのです。